B 文芸

 

 B1 俳句

 

 

    発言番号:17

    発言者  :早川 元廣

    題名    :自選の20句をご披露します

    登録日時:97/04/21 20:08

 

 5年ほどになりますがぼけ防止と頭の体操にと近隣の俳句会に入り、毎月20数名の方と句会を楽しんで来ましたが、何時の間にか作品(とは言えぬかも?)数が1000近くになりました。日も浅く元来その方の才能も無い小生ですが、厚かましくもご披露におよびます。 先輩方もいらっしゃることご教導くだされば幸いです。

 

  「季うつらふ」

 

          娘の呉れし十年日記睦月了ふ

          仮設居に雛人形の納まりて(神戸震災)

          沈丁の香り溢るる朝厨

          黄水仙コバルトの海色増せり

          散髪を了へ春風を楽しめり

          柿若葉益子に湯呑みもとめけり

          新樹燃ゆいくさに散りし兄のこと

          伊豆の宿大き浴衣にくつろげり

          足るを知る齢となれり茄子の花

          星まつり誕生日なる妻と居て

          蝉しぐれ光陰ゆくや五十年

          星月夜星の降る里訪ねけり(上芦別)

          薪で炊く新米の味楽しめり

          池映し軒にたゆたふ秋日影

          はるけくも歩み来て古希野菊晴

          老犬と散策の日々冬ぬくし

          雪催「卯波」ののれんくぐりけり

                      (鈴木真砂女さんの店)

         冬日燦ただしみじみと七十路

         貝詰のあかぎれ膏や母恋し

         寒造り温めて楽し婿と居て

 

 

    発言番号:17

    発言者  :早川 元廣

    題名    :自選の20句をご披露します

    登録日時:97/04/21 20:08

 

  早川さんの俳句を拝見しました。

  私なりに共感し感銘した3句を述べさせて戴きます。

    新樹燃ゆ  戦に散りし  兄のこと

    貝詰めの  あかぎれ膏や  母恋し

    はるけきも  歩み来て古希  野菊晴

 

  早川さんの兄上のこと、私も昔はあか切れで困りましたが、それをつけて下さった母上のこと、そして古希を迎えてお元気なご自身のこと等、しみじみと感じさせられました。兄上も過ぎし大戦で散華されたことは痛恨の限りと存じます。

 

 

    発言番号:2118へのコメント)

    発言者  :巌 隆吉

    題名    :自選の補足

    登録日時:97/04/26 21:03

 

  俳句のコメントで、大田さんのコメントを見ました。

  先日、大田さんと高尾山より渓谷を下りました時、アカハラとウグイスのさえずりを聞きましたので、権藤さんから借りた「野鳥歳時記」の中から選んで記述します。

  アカハラのこえ  四方(ヨモ)に湧き   朝到る   春藻

  馬棚の  門入ればアカハラの  こえあがる      春潮

  ウグイスや  前山いよよ  雨の中            秋桜子

  四方(ヨモ)の扉() ひらきウグイスの こえひびく

  ウグイスの  こだまをひとり  ききたまう       

  ウグイスや  洞然として  昼霞                虚子

  一天や  ウグイスの声   透き徹り             茅舎

  ウグイスの  声あれ心   応ずべし           草田男

  ウグイスの  鳴く朝霧に  ()をひらく    白流子

  ウグイスの  来鳴く篠垣  つくろわず        晩紅里

  ウグイスや  石もしづかな  日ももてる        草明

 

  ひとの褌で相撲を取るとは、まことに申し訳ありませんが、ハイキングと野鳥と俳句を結び付けて見ました。

  折角お借りした歳時記も何かに結び付けて読まないと、難しいので、敢えて、ひもときましてコメントを入れた次第です。

  折りにふれて、俳句にも親しみたいものですが....。

 

 

    発言番号:1917へのコメント)

    発言者  :太田 中

  題名    :自選の20句をご披露します

    登録日時:97/04/25 21:21

 

  DDDは最近、自然科学論議が真っ盛りで、文化、芸術面が少し淋しかった処へ、期せずして早川さんの「自選20句」が披露され、やや元気を取戻したような恰好です。

  つきましては私なりの感想を申しあげますと

1.先ず全句に古希の年輪から来る渋味が漂い句に風格を与えていることです。

2.娘、兄、妻、母、婿(呼称、順番は原句のまま)を身辺の事象にさり気なく合せて1句ずつ作って居りますが、貴方のお人柄、家族愛を彷彿させ、ほのぼのとした温かみを感じます。

    草田男の「万緑の中や吾子の歯生え初むる」を想いだしました。

3.その他甲乙つけ難い佳句ばかりですが、幾つか印象深い句を選べば

  *散髪を了へ春風を楽しめり

     床屋の帰り誰でも口笛を吹きながら歩いてみたくなるでしょう。散髪と春風の取合わせが絶妙。

  *足るを知る齢となれり茄子の花

     これが薔薇の花だったら俳句になりませんね。もともと茄子は実を食べるもの、鑑賞用でないその花が上五、中七を引立てています。

  *薪で炊く新米の味楽しめり

     私達年代の味ですね。今の子供はガスか電気で炊くことしか知らないでしょうから。私は昔鉄釜と稲藁で炊いた新米を食べたことがありますが、これぞ天下の絶品と言っても過言ではありませんでした。

  私の過去の新米の句「新米や一汁一菜にて足れり」などいかがでしょう。

  *雪催「卯波」ののれんくぐりけり(鈴木真砂女さんの店)

     たしか彼女は90歳位の高齢で小料理屋の現役女将。実生活に根ざした俳句では当代随一、私も大好きです。店には行ったことありませんが、一度訪ねてみたい処ですね。

 

 

    発言番号:24

    発言者  :早川 元廣

  題名    :自選20句の続き

    登録日時:97/04/29 11:11

 

  巌さんと太田さんからご丁寧な感想やコメントを早速いただき恐縮に存じ、感謝にたえません。 拙い句に好感を持ってくださって有り難うございました。太田さんの新米の句、一汁一菜はまさに言い得て妙と感心いたしました。巌さんの引用された句に鶯がありましたが、最近の三句を記しお礼のしるしとさせていただきます。

 

       花粉症  戸を繰る庭へ  大くしゃみ

       満開の  花の傘して  麻生川  (両岸に桜あり)

       医院前  初音に  心和みけり   (検査結果?)

 

 

    発言番号:66

    発言者  :権藤 卓也

  題名    :俳句の不思議

    登録日時:97/06/15 22:57

 

 ミミズの鳴くのが秋の季題になっているのも不思議でしたが、俳句の世界ではその他にもいろいろと面白いことがあるようです。俳句をろくに作らないで勝手なことばかり言って申し訳ありませんが、少しばかり気になっていたことがありますのでご披露します。

 私の亡くなった母はよく俳句を作っていました。結構怠け者で、句会の前の晩に夜遅くまでかかってようやく宿題を作り上げるという風でしたが、これがまたよく選に入って褒められるそうで鼻高々でした。

 我が家の庭に朴の木が一本あって、5月には枝先に大きな葉が広がるその真ん中に白い蓮を思わせるような花が咲きます。ほとんどすべての枝先に蕾や開いた白い花や、咲き終わった花が見られるのでなかなの壮観です。高い枝の先ですから下からでは見えず、遠く離れた所から見るしかありませんが、時々いい香りが漂ってきます。花は一日か二日位で白い花弁が茶色に縮れてしまい、落ちてくることはなく枝先についたまま枯れてゆきます。同じモクレン科でありながら、ハクモクレンやコブシが白い花弁をそのままハラハラと落として地面を真っ白にしてしまうのとは全く違って、泰山木などと同じ散り方(?)なのです。

 ある時、母が「朴散華」という言葉を使って一句物し、句会に出して特選に選ばれたことがあります。私は朴は絶対に散華することはないのだから、この俳句は真っ赤な嘘だと抗議をしたのですが、母はいいのいいのと笑っていました。「朴散華」は語感としてはなかなか綺麗だし、イメージとしても美しいとは思いますが、いいのでしょうかね? 歳時記を拾ってみていると、このような嘘の句が随分あることが気になります。作者は母のように知っていて嘘をついているのでしょうか。しかし、歳時記などの権威ある文献に載せられると、その嘘が一人歩きすることになります。俳人という人種は自然から離れて独自の世界の中だけで遊んでいるのですかね。以前、野鳥のライブラリーでご紹介した山谷春潮氏の「野鳥歳時記」は、このような歳時記の誤りを控えめではありますが正確に訂正しています。しかし、書店に並んでいる歳時記では相変わらず間違った季語が横行しているのですが。

 季語ではありませんが、俳人の自然観察についても疑問を持つことがあります。

 松尾芭蕉の奥の細道の句で、山形の立石寺で読んだ

    閑(しづかさ)や岩にしみ入る蝉の声

が何蝉であるかというので有名な論争がありました。「季語深耕〔虫〕」(小林清之介著、角川選書)に詳しく紹介してあるので以下引用します。

 <芭蕉の「閑や岩にしみ入る蝉の声」はニイニイゼミだといわれている。昭和のはじめごろ、小宮豊隆はそれをニイニイゼミであるといい、斉藤茂吉はアブラゼミだといい、二人はこの問題で論争した。芭蕉が山形県の立石寺に足を止めたのは、元禄2年(1689)5月27日で、新暦になおすと7月13日になる。そのころ、北国のこのへんではアブラゼミはほとんど発生しておらず、ニイニイゼミのひとり舞台なので、茂吉は実地踏査の上、自分の誤りをみとめて、アブラゼミ説を撤回した。しかし当初は、どの論争相手に対してもそうするように、大いに怒ったらしい。

    蝉の声怒る茂吉を敬はむ石田波卿

は、そのことには関係ないのだろうが、ここに置くと、何やらぴったりしておもしろい。

 芭蕉が立石寺の坊に宿を借りておいて、山上に登ったのはもう夕方に近い。ニイニイゼミは夕方にもよく鳴くので、私もやはりニイニイゼミだったろうという気がする。ついでのことにつけ加えると、ミンミンゼミ、クマゼミは午前中に鳴くことが多く、アブラゼミ、ツクツクホウシは午後に鳴くことが多い。これらに対して、ニイニイゼミは朝から夕方まで鳴き通す終日型なのである

 以上が芭蕉の蝉はニイニイゼミであることの立証報告です。誠に科学的で、その通りには違いありませんが、ここには一番大事なことが欠けていることが気になります。それは、蝉の鳴き声そのもののことです。茂吉も、豊隆も、それから著者の小林清之介も、ニイニイゼミの鳴き声を聞いたことがないのではないかとも思えるような論調ではないでしょうか。

 ニイニイゼミの鳴き声はご承知と思いますが、シイーという高い細い声で、鳴きはじめて暫くすると(20秒位かな?)次第に高さ(ピッチ、周波数)が下がってきて、それからまた思いなおしてもとの高い音程に戻って鳴きつづけ、音の高低の変化を繰り返し続けます。機械鋸で材木を切断するときには、最初の内は高い音ですが、切断が進んでゆくと次第に低い音に変わってゆきます。ニイニイゼミの声にはそのような高さの変化があり、これが、「岩にしみ入る」という表現にピッタリではないでしょうか。電気ドリルで孔を開けるときも同じような音の変化がありますね。芭蕉時代には勿論電気ドリルはありませんが、「しみ込んでいく」気分というのはニイニイゼミ以外にはありません。また「しずかさ」は高音域のシーという澄みきった声でなければこんな言葉にふさわしくありません。アブラゼミの声は騒がしく、岩にしみ入るような感じは全くありません。それにしても、芭蕉の、蝉の声に対する感覚の鋭さを、ほとほと感心させる句であると思います。

 高名な俳人達が、肝心の蝉の声をそっちのけにして、何故論争になったのか理解に苦しみます。この人達は芭蕉の句をどのように味わっていたのでしょうか。

 梅雨が明けると間もなくニイニイゼミが鳴きはじめます。私の家の付近ではあまり聞かれませんが、昨年まで通っていた事務所のそばの芝公園には沢山いて、毎年その蝉時雨を楽しみにしていました。騒がしい芝界隈でも、この蝉時雨だけはそれこそ「閑さ」に浸ることができたのです。ここにはアブラゼミが殆ど居なくて、8月の始め頃にはミンミンが鳴きはじめます。

 

 

    発言番号:82

    発言者  :早川 元広

  題名    :終戦当時を回想して(俳句)

    登録日時:97/07/30  13:10

 

  今年も8月を迎えました。 終戦当時を思い出しての句を幾つか披露します。ご笑覧の程・・・

                 回想

         芋畑 勤労奉仕 遥かなり

         報国の 作業偲べり 酷暑の日

         機銃掃射 危ふく逃れし 炎天下

         爆音に 若しやの不安 終戦日

         管制の 解かれし灯り 終戦日  

         五十年 なほ癒されず原爆忌

         終戦日 悲願の平和 なほ遠く  

         五十年 昨日のごとき 蝉しぐれ

    最後に花火の句を・・・

           河川敷 腹にずどんと 花火かな

           深川の 路地

 

 

    発言番号:8482へのコメント)

    発言者  :終戦当時を回想して(俳句)

  題名    :巖 隆吉

    登録日時:97/08/02 22:30

 

  早川さんの終戦当時を回想の俳句を拝見。

  その中で、私自身も早川さんの句に共感する句としては、

        管制の   解かれし灯り   終戦日

  燈火管制が解かれましたが、非常に複雑な感情で迎えました。私は南九州の宮崎の綾町の部隊にいましたが、その前夜、阿南陸軍大臣自刃の報道が流れましたので、鉾を納めるのだと思いつつこのままで良いのかと大いに議論していました。案の定、その晩「第57軍は所定の作戦を続行せんとす」との命令があり、夜中に非常呼集して演習を続行したことを思い出します。

        五十年   なほ癒されぬ   原爆忌

  復員して故郷の広島に帰り、つぶさに原爆の酷さを見まして、米軍のやり方に憤りを覚えました。

  終戦当日、私は砲戦車(105?_砲搭載)演習実施中で、正午に重大放送ありとのことで、宿舎に帰り玉音放送を聞いた次第。その日の午後は一切の演習中止、茫然として中隊長の宿舎に集まりどうすべきか種々討議しておりました。

  その時のことで妙に覚えていることは、極めて静かで大きな真白い雲が悠然と流れていて眼に焼き付いております。その宿舎の奥さんが「新いも」をご馳走されましたが、あまりにも情けなく、手につかなかったように思います。

  その光景の私の一句。

        終戦や    真白き雲の    眼に映ゆる

  そして数日後、綾川の橋の上で三人の同僚とそれぞれの感懐を歌にしておこうと各人拙い歌を作ったがその時の私の歌一首だけは、今でも鮮明に覚えている。まさに皇国史観に生きていた20才の青年の幼い稚拙な歌ではあるが敢えて披露します。

    轟々の   水の音(ね)とても    変わりなし

    すめらみくにを      如何にかもする  

 

 

    発言番号:213

    発言者  :早川 元廣

  題名    :近作の俳句から

    登録日時:98/02/14 12:31

 

  暫くぶりに俳句でご機嫌を伺います。ご感想 ご批評

ご自由にどうぞ

(京都国際会議)

    温暖化 けはしきハードル 京は冬

(上野のアンコールワット展に 30年ほど前に訪ねた

アンコールワットを懐かしみ)

    クメールの 微笑みしづか 森小春

    クメールの 美術燦たり 冬日さす

(香港の鶏)

    時告ぐる 声の途絶えて 年暮れる

    未知の日々 神にゆだねて 初暦

    年男 日々前向きに 歩みたし

    愛犬の 名も連ねあり 賀状くる

    ジム屋上 露天の風呂に 冬日照る

 ( 冬季オリンピック)

    子ら主役 長野の冬に 聖火燃ゆ

    子ら主役 長野の冬に 聖火燃ゆ

    冬季五輪 第九高らか 五大陸

 

 

    発言番号:216213へのコメント)

    発言者  :太田 中

  題名    :近作の俳句から

    登録日時:98/02/18 21:41

 

  貴殿の近作10句拝見しました。うち6句は時事、残りは身辺に取材したものですね。花鳥風月は一つもありません。実は私も貴殿の行き方に同感なのです。

  ご存じのように、俳句が興隆してきた江戸時代中期の芭蕉やぶ村は花鳥諷詠ばかりではありません。随分身辺雑事を詠んでいます。

  明治になってホトトギス派が四季の変化に応じた花鳥風月を詠む詩が俳句だなどと主張したものですから、それ以外は邪道みたいになってしまいましたが、私はそうは思いませんし、俳句界に於もこの流れに反発する意見は一杯あります。

  今後も貴殿の時事、人間、社会等に因むご健吟を期待します。

  取敢えず今回10句の中から感銘3句を選べば次の通りです。

    未知の日々 神にゆだねて 初暦

    愛犬の 名も連ねあり 賀状くる

    子ら主役 長野の冬に 聖火燃ゆ

  俳句論について、話し合いたいことはいろいろありますから、今後追い追い載せていきましょう。

 

 

    発言番号:218

    発言者  :早川 元廣

  題名    :オリンピックを詠む

    登録日時:98/02/19 20:52

 

  早速に太田さんと巌さんからコメントを戴き、温かいご感想 面映くありがとうございました。 巌さんのオリンピック評に共感するところ大です。

    一寸寝そびれたりして作句しましたので・・・

      雪っ子の  笑顔うつくし 

      ジャンプ隊  逆転の金に  乾杯す

      四人とも  K点越ゆる  大ジャンプ

      口惜しさを  バネに克服  金メダル

      裏方の  苦労さぞかし  冬五輪

      冬五輪  真白き天地  咲く大輪

 

 

    発言番号:408

    発言者  :早川 元廣

  題名    :北海道での俳句

    登録日時:98/09/11 11:25

 

  巌さんからお声もかかっておりますので、2年前に北海道を訪ねた折り詠んだ俳句を披露します。

 旭川にて

     静々と 石狩野ゆく 秋の川

     淡々と 綾子(つま)を語って 秋さやか

         (三浦綾子さんの夫君 光世氏の講演会)

 上芦別にて

     星月夜 星の降る里 訪ねけり

         (美しい星をちりばめた 星の降る里=故里

           といわれる町でした)

 道東にて

     道東に 鹿を訪ねて 秋うらら

     バスの窓 蝦夷鹿探す 秋日和

追加して7月に親しかった友が逝きましたので2句

     病解かれ 天つみ国へ 夏未明

        (27年もの間 喘息でした)

     「天国で待って」と 柩へ 夏の菊

 

 

    発言番号:496

    発言者  :早川 元廣

  題名    :最近の俳句から

    登録日時:98/11/23 13:06

 

  暫く間が空きましたが近作の俳句を披露します。 ご笑覧のほど・・・

          −−−冬日和−−−

      富弘の カレンダー給ふ 敬老日

      神奈川宿 歴史の道に 秋惜しむ

      動くこと いとはじ長寿を 木の葉髪

             (中国孤児)

      木がらしや やうやくにして 故国踏む

      朝寒の 坂道のぼり 医院まで

      この年も 僅かとなりぬ 工事音

      冬星の  きらり奏でる シンフォニー

             (ラジオ深夜便)

      深夜便 乗ってうとうと 冬夜明け

      手袋の ぬくもりうれし 娘がくれし

      楚々と咲く 山茶花と笑み 交わしけり

      刻きざむ 音のみ聞こゆ 冬日和

      遠望す 風おだやかに 冬の富士

             早川 洋人(用心ではありませんが・・・)

 

 

    発言番号:550

    発言者  :太田 中

  題名    :囲碁と俳句と

    登録日時:99/01/23 17:38

 

  この二つは私のささやかな趣味の中の一部ですが、昨年秋から暮にかけて、思わぬ幸運が舞い込んで来たのです。

◎囲碁

  信託OB秋季大会、日時11月6日(土)、場所日本棋院6階大広間、参加者約40名、退職後覚え始めた新人から、棋歴数十年プロに近いベテランまで。ゴルフ同様きめ細かいハンディが決められているので、横一線で対戦出来る。全員4回対局する。四回戦迄の成績で順位決定。優勝者の氏名は持回り優勝楯に刻印される。

  私も過去10回余参加しましたが、3勝1敗は何回かありましても、全勝はありませんでした。兎に角、全勝しなければ話になりません。

  しかし、今回は意気込みが違いました。前回春季大会で碁敵の深澤さんが優勝しているので、このまま黙っていては、彼に頭が上がらなくなるからです。

  3勝1敗の原因は私が世界に名高いテンション民族の一員であることなので、この弱点を必死に振り払って頑張り、何と最終戦は1目勝ち、ゴルフならばプレ−オフ優勝という離れ業を成し遂げたわけです。

  この戦績は、他の10指に近い部会の活動状況と共に、OBクラブ報に掲載されましたので、正月6日の新年名刺交換会にはお祝いの挨拶を受けるのが大変でした。

◎俳句

  信託OB月例会(起源は戦前の古い句会だが中断、復活後10年余、合同句集2冊刊行)

  第108回、日時12月14日(月)、場所本店OBクラブ室、参加者20数名(出席10名、大阪在住者等は出句、選句とも通信参加)

  私の出句は

    どぜう屋に明治の残る一葉忌

  これが、驚くことに当日の過半数の選に入っただけでなく、当会草創以来の最高点になったのです。

  私にも自信はありましたが、これ程の高点は予想しておりませんでしたし、その理由も分かりません。

  因みに、一葉忌は11月23日、「たけくらべ」「にごりえ」などで知られる明治の小説家樋口一葉(1872-96)が24歳の若さで亡くなって、丁度100年。

  台東区竜泉は「一葉記念館」、文京区本郷には彼女が通った質屋が現存していますが、この話はまた機会がありましたら致しましょう。

  「どぜう屋」は言うなれば江戸の味」に属しますし、下町似合いで、決して「山の手」好みの店ではありません。でも、「うなぎ」よりも美味しいと言う方も結構多いですよ。

  当俳句は今回の経験句でなく、「どぜう」「明治」「一葉忌」を三つ組み合わせた想像句ですが、これほどの好評を得たことを、望外の幸せと喜んでおります。

(お願い)

  私の会議室発言は、当メッセ−ジを含めて、大変個人色の強いものが多いとかねがね思っております。

  もし、皆さんの中で「個人色むき出しのものは現在70余名加入のフォ−ラムには相応しくない」と感じられる方がおられましたら、遠慮なくおっしゃって下さい。

  早い話が先日レポ−トしました「英国旅行」は自分ながら、相当思いきった発言で「僕はロンドンに○年間在勤したから、イギリスのことは良く知っている。2−3回旅行した位で、勝手なことを言うな」位のお叱りはあるかと覚悟していましたから。

  兎に角、注意すべき点がありましたら、お教え下さい。

 

 

    発言番号:551 ( 550 へのコメント)

    発言者  :早川 元廣

  題名    :囲碁と俳句と

    登録日時:99/01/24 11:09

 

  太田さん  俳句 信託OB会 草創以来の最高点とは恐れ入りました。囲碁の方は知りませんが、俳句は会社人間を終えてから近所の句会に入りまだかけだしの私ですが、同じ趣味を持つ者として心からおめでとうとお祝いし敬服いたします。ますますのご精進をと願うとともによろしくご教導のほどとお願いいたします。まずは一言お祝いまで

 

 

    発言番号:574

    発言者  :太田 中

  題名    :自選20句

    登録日時:99/02/22 21:14

 

  信託OB句会が合同句集の第2集を刊行しました。各人が過去に出句したもののなかから、自選した20句を掲載しました。私の自選句を披露いたしますので、ご笑覧戴ければ幸いです。

  この句会は特に師匠がおりませんので、それが却って各人夫々自由闊達な句風となっております。

  私は花鳥風月を詠むことは、殆どありません。人間、社会等が主となります。俳句は世界で最短の詩形でありますが、「詩」である為には「人の心」を表現するのが、当然と思われるからです。

    寒明けや孫にも薄き髭生ふる

      花びらや濡れて螺鈿の路地を踏む

     「一束百円」空缶に入れ里うらら

      藤棚やしばし待たさる鰻膳

      朧夜に一日の憂さを捨てに行く

    ばら園の薔薇をうしろに髪直す

      父の日の父逞しく描かるる

      みどり児の四肢のびやかに夏座敷

      意識なき友にとどける初西瓜

      かくてまた一日のくるる遠花火

    冷泉家故家の光る秋麗

      在りし時父に栗飯山と盛る

      虫眼鏡頼る読書も文化の日

      ひとり言周り気にせぬ草紅葉

      駄菓子屋に微かな昔一葉忌

    冬晴もそぞろ弱気な受診待ち

      年の瀬や十字架聳ゆ坂の町

      年忘れ塾の灯明々と

      職失せし人の噂や冬ざるる

      おでん屋台今日の銭もち国自慢

 

 

    発言番号:575574へのコメント)

    発言者  :早川 元廣

  題名    :自選20句

    登録日時:99/02/23 10:59

 

  太田さんの20句楽しく詠ませていただきました。私などかけだしで批評などとてもできませんが、感想の

一端をのべ感謝とさせていただきます。

  俳句にはその人なりの心の持ち方、生活ぶりが偲ばれ

自然に表わされるものですが、如何にも太田さんらしい

奥床しさが出てしみじみと余韻が残りました。

  印象に残った句を季ごとに1句選ばせていただきます。

  ・花びらや 濡れて螺鈿の 路地を踏む

  ・意識なき 友にとどける 初西瓜

  ・ひとり言 周り氣にせぬ 草紅葉

  ・おでん屋台 今日の銭もち 国自慢

 

 

    発言番号:577575へのコメント)

    発言者  :巖 隆吉

  題名    :自選20句

    登録日時:99/02/23 17:35

 

  格調ある太田さんと早川さんのように俳句の達人ではありませんが気軽に共鳴する句を選びました。私も俳句は心だと思いますしあまり難しくその専門過ぎる難解の句でなくて平易な句が好きです。

  俳句の道からすると邪道かも知れませんが....。

   「一束百円」  空缶に入れ   春うらら

  春の新鮮な野菜を野道か路地で買ったのでしょうか

   父の日の   父逞しく   描かるる

  私もよく孫娘に私の似顔絵をカレンダーの裏に大きく描かせますが懐かしい描写ですね

   在りし時   父に粟飯   山と盛る

  昔のことでしょうね。或いは戦争中か戦後でしょうか。特に戦後の食料難は凄かったと思います。20年の夏はともかく21年と22年の夏は酷かったと思います。やさしい心だなとしみじみ思いました。

   意識なき  友にとどける   初西瓜

  早川さんと全く同感です。

   おでん屋台   今日の銭持ち   国自慢

  博多を始め新橋や西宮北口のおでん屋を思い出します。20年代後半ではおでん屋での焼酎コップ2杯で酩酊したものです。当時は割らずにそのまま豆腐やキャベツをサカナに飲んだものです。

   かってに想像して感想を述べました。ごめんなささい。またの投稿を待っています。

 

 

    発言番号:684

    発言者  :早川 元廣

  題名    :世田谷へ文学散策

    登録日時:99/07/01 12:05

 

 6月26日(土)仲間10名で のんびりと「芦花恒春園」と「実篤記念館」を訪れました。  梅雨の中休みで暑くもなく、くつろいだ一日でした。 ともに文豪晩年の住処で前者が出入り自由(無料)なのに比し後者は管理がゆきとどき、対照的でした。

 トルストイに憧れ 自然を愛し自ら「美的百姓」と称した芦花。  美術、演劇、思想と幅広い分野で活躍し、自然と清水をもとめてこの地に移り住んだ実篤、二人とも魅力いっぱいの国際的文化人です。  その奥行きの深い人となりに感動しました。しっとりと梅雨の庭が静まりかえっていました。

  戦争直後、まだ学生のころ、夏の午後に訪れた恒春園は周囲を田畑に囲まれ、西に富士の霊峰が夕焼けに鮮やかなだった記憶がありますが、至る所マンションに囲まれ昔日の面影は全くありませんでした。これも時の流れで、やむをえないことでしょう。

      梅雨ふかし  静まりてあり  恒春園

      文豪の  終の住処や  梅雨の庭

 

 

    発言番号:701687へのコメント)

    発言者  :早川 元廣

  題名    :世田谷へ文学散策

    登録日時:99/07/10 15:14

 

  7月7日ダイヤかながわ歩こう会で、逗子披露山公園と逗子海岸のハイキングに15名のメンバーが参加しました。 素晴らしい快晴に恵まれて8キロほどの登り下りでした。

  芦花記念公園も訪れ、「不如帰」の舞台  ヒロイン浪子と武男が散歩したところも歩き、しばし感慨に耽りました。波間に蘇峰の筆になる不如帰の碑が洗われていました。なお逗子市の花は「ホトトギス」だそうです。

   夏潮の  裾洗いけり  不如帰の碑

   披露山  別荘映えて  蘇鉄咲く

 

 

    発言番号:702701へのコメント)

    発言者  :巖 隆吉

  題名    :世田谷へ文学散策

    登録日時:99/07/11 13:45

 

  「世田谷の文学散歩」を面白く拝見しました。

  私は、京王電鉄の発行している「京王散歩」を見て去る4月1日このコースを歩きました。そのコースとは、仙川駅に降りて実篤記念館そして東に向って祖師谷橋を通り、蘆花恒春園を経て世田谷文学館を見て蘆花公園駅に至るコースです。

  さらにその後発行された「京王散歩」では多少コースが長くなりますが実篤記念館から東南の方向に向けて歩き祖師谷公園、釣鐘池公園を経て青学の傍を通って蘆花公園に至るコースになっています。

  シルバーにとっては歩くことが一番。しかも、このコースは早川さんの俳句の通り「文豪の  終の住処や  梅雨の庭」と文豪のことや、緑を堪能するのに丁度良いコースだと思います。

  若し、お歩きになるお方はメールでお知らせいただければその「京王散歩」の地図をコピーしてお送りします。

  なお、実篤記念館で感じたこと。その中の独特な実篤の絵を拝見して、彼は文豪ながらも、その絵も含蓄があるなとつくづくと感心しました。また同時に、その基本のデッサンも確かだなということを改めて教えられました。

  まだまだ、このコースでは学べることが沢山ありますのでご検討ください。

 

 

    発言番号:809

    発言者  :早川 元廣

    題名    :近況そして俳句

    登録日時:99/10/19 11:20

 

  暫くご無沙汰しました。 皆様の情報を終始楽しませていただき感謝で一杯です。拝見するばかりではと筆をとります。

10月14−15日 津久井湖へ俳句仲間10数名と行ってまいりました。 紅葉にはちょっと間がありましたが、自然のたたずまいには感嘆し、世知辛い世相がちっぽけと今更ながら感一入でした。遠くまで行かなくても近くに良い所はあると感じました。

  十年以上になりますが、2−3年橋本へ通勤の機会がありましたが、冬晴れの朝など、橋本に近ずく車中から富士の雄姿を望見できた頃を思いだします。今は大規模な再開発で駅の周辺の変貌は驚くほどでした。 例によって幾つかの愚作を披露に及びます。

    橋本駅  変貌しるく  秋たけぬ

    秋の色  いよよ濃くせり  湖月荘

    採りたての  烏瓜ま中に  俳句会

    城山の  紅葉映して  湖静か

    句友どち  話はじけて  夜半の秋

    物忘れ  つのりて侘し  虫すだく

    露の玉  結びて車  粧へり

    世紀末か  事件頻発  秋冷ゆる

    秋晴れて  庭の手入れに  鳥応ふ

    やすらぎの  チャペルに灯す  秋あかり

なお湖月荘は神奈川県の老人保養所です。